『道具による呪文発動』について緩く考える

□ 先ずは皆様に軽く説明をするべきで
 それなりに歴史を重ね不思議のダンジョンに置ける道具による呪文発動について考えます。
 ドラゴンクエストキャラクターズによる不思議のダンジョンのキャラクターとして操作するのが、トルネコさん、ポポロ君、少年時代のヤンガス君の三名。
 彼等はダンジョンを攻略するにあたって、様々な道具を駆使します。弓矢や遠投用の石、武器や盾、魔力を秘めた巻物と杖、食料等々。
 原作で見られる武器による呪文発動はありません。例えば原作で道具として使うとギラの効果がある炎の剣ですが、少年ヤンガスでは炎の苦手な魔物1.5倍ダメージ、炎が得意な魔物にはダメージ半減という事で特徴が反映されています。

 杖には使用回数があります。『バシルーラの杖(3)』等という形で回数が示されており、振る度に回数が減り0になると振ってもバシルーラの効果が発動しなくなります。しかし0になっても、投げつけて当てると消失する代わり効果が発動します。この使用回数は特定の方法で増やす事が出来ます。

 巻物についてですが、巻物の使用の仕方は大きく分けて二つ。読み上げる方法と床に置く方法、極一部に投げつけて当てて効果が発動するものが存在します。イオの巻物というポピュラーな呪文から聖域の巻物という不思議のダンジョンのみ登場のものまで様々。何故かポポロ君は読めず同じ歳の頃だろうヤンガス君は読めるという設定が存在する。
 今回は巻物と杖に絞って考えて行きます。

□ どうして巻物が読めないのか
 巻物とは魔法の資質のない人でも呪文が使えるアイテム。読むと魔法陣のようなものが足下に浮かび呪文が発動するため、魔法陣が仕込まれているのでしょう。聖域の様に乗って効果を現すものもある為、巻物に魔法陣が描かれその上に乗るという事も推測可能。
 しかし、ここで論点に上げるのはポポロ君が巻物を読めないという事です。作中では年齢が低いためと説明されていますが、ヤンガス君が読めるのだから納得いかないじゃないか。(ポポロ編で初めてモンスター同伴システムが追加された為とか、そんなロマンのない話はしませんよ)

 当然だがポポロ君の父親であるトルネコ氏は巻物を読む事が可能。しかも白紙の巻物に書き込む事が出来るので、彼は呪文が全く使えないが呪文の知識や魔法論理をかなり勉強している点が窺える。しかし魔法の資質がないトルネコ氏が読んで発動し、書き込んで発動させる事も可能なため、巻物を扱う事に魔法の資質は必要なしという事が解ります。

 知識があれば使えるというなら、ヤンガス君は知識があったのか。そんな話になります。
 彼は父親がパルミド周辺 でかなりの勢力をもつ大盗賊ヤンパー氏。ヤンガス君の家はパルミドの中にあるというのに、戦利品というお宝の山です。彼が幼少の頃から巻物を読む機会があり、知識があったといえなくもない。しかし、ヤンパー氏は息子に盗賊家業は早いと盗賊のイロハを教えてはいません。これは抜きん出た知識を持つトルネコ氏が息子に武器商人としてのイロハを教えていないのと同じです。しかもトルネコ氏は不思議のダンジョン攻略を4終了から数年後には開始しているので、ポポロ君が巻物に触れた事がないという説明は無理がある。ヤンガス君とポポロ君は、知識の面では同じラインに立っていると推測出来ます。
 しかし、ヤンガス君は他の二人とは違う点があります。彼は大人になると呪文を習得する事が出来るのです。ということは、彼には微弱であっても魔法の資質があるという事になります。彼は将来幾つかの回復呪文を覚える為、彼には資質が無い者にはない感覚で巻物の中身を読む事が出来るのでしょう。

 やっぱり巻物を読むには魔法の資質があると割と簡単に読める。
 しかし、魔法の資質がなくても十二分な知識があれば資質がなくとも読む事が可能。
 そのような結論を得る事が出来ます。
 点字のように我々は凄く勉強しても読み取る事は難しいですが、目が見えない事で他の感覚が鋭敏になった指先の触覚なら読み取る事が出来る。例えは不謹慎ですがそんなものなのだろうと稲野は思います。

□ 巻物を床において使うと発動する不思議
 ポポロ君は巻物が読めませんが『使う』事は可能です。
 先ずは文法的な話ですが『読む』と『使う』では意味合いが全く異なります。具体的に説明すると某忍者漫画の口寄せの術で巻物を使う描写がありますけど、巻物は口寄せの術の媒体や補佐の機能でしかなく用いる人物はその巻物の中身を読んだりはしません。また聖域やニフラムのように読むのでは効果が発動しない巻物があるため、巻物とは本来読んでも良いが読まずとも使える為のものだったと考えます。

 ここで出て来るのが白紙の巻物の設定です。この巻物はいろんな特性があるのですが、特筆するべきはその巻物にトルネコ氏が書き込む事で別の巻物として運用出来るという事。魔力の資質のない人が白紙の巻物に限り書き込めば、その巻物は本物の呪文の発動する巻物になる。この事から巻物には予め呪文が発動する為の魔力が籠っている特別な紙かなにかを使用していると思われます。

 巻物を開いて自分の足下(自分が巻物の上に乗る)、そして『使う』。これがポポロ君の巻物を使うために行う動作です。巻物を開くと巻物は起動状態になり、魔法の資質がある人や呪文への理解がある人は読み上げる事で、資質のない人で知識も不十分ならその上に立つ事で発動するという事になります。ちなみにポポロは一度置いて使うため1ターン余計に掛かってしまいます。
 しかも使うの指向性は乗った存在が指定するという訳ではなく、聖域の巻物はその巻物の上に魔物を吹き飛ばして載せると魔物が消し飛びます。つまり巻物はそこに書き込まれた呪文の効果を只管発動する道具であり、拡げただけで発動するのを防ぐ為の安全装置の役割として上に乗るなりの条件の下で発動する道具であるという事なのでしょう。使用したら使えなくなるのは、紙に宿った魔力が 消えるだけではなく使用により巻物の状態が損なわれるという事で説明出来そうです。しかし濡れても乾かせば使えるとか、なかなか凄い紙を使っているようで す。

□ 杖の使用回数は減るのは何故か
  原作では無制限に使用出来る杖ですが、不思議のダンジョンでは使用回数が定められています(システム的都合とかロマンのないry)。これは拳銃に籠められた弾数みたいなものだと解釈できるとおもいます。また、賢者の石(不思議なダンジョンでは主に練金アイテムであり、原作のベホマラー効果はありません)を用いると使用回数が増えるため、杖の中に籠められた魔力の強さが使用回数に反映されていると思われます。
  また杖を投げつけると効果が現れる事も、打ち出す程の魔力がない状態でも杖の中に魔力が残っており多少に当たる事で呪文として発動すると思われます。

  原作の使用無制限については条件付けが厳しいため今回の考察では考えきれませんでした。魔法が使える人間が持つ事で、杖の魔力が充填されるという方法もあり かとは思いましたが、魔法使いや僧侶が棺桶行き等常に魔法が使える人間が居る状態は無理です。不思議のダンジョンの特殊性という仮定もありますが、これもありそうで不安定です。

□ 杖の魔法弾はなぜ反射するのか
 杖を振ると魔法弾とここでは言いますが、魔法が弾丸状になって振った方向に飛んで行きます(何故弾丸状なのかとか、何故見えるのかはシステム的都合とかロマンのない話は(ry。この魔法弾ですが、特定の条件で弾き返す事が可能です。マホカンタみたいなものだと思って下さい。
 不思議のダンジョンの中には水晶の塊みたいなのが点在し、それに向かって杖を振ると跳ね返って自分に戻ってきます。雷の杖を振ると痛いですが、ホイミの杖とかを自分に使いたい時に有効。鉱物の関係から乱反射しないのか疑問には思いますが、ミラーアーマーとかも存在しますので乱反射の可能性には敢えて触れません。(ただしミラーアーマー等が確実に反射しない理由が、敵の呪文と垂直でない為に敵に真っ直ぐ反射されないとかそういう理由はありとか思ってる)

 DQにおいて呪文はマホカンタ等の呪文を呪文によって反射させるという方法以外に、鏡面や光等を反射する素材を用いるものには反射してしまうということが設定にあります。しかしマヒャ ドなど呪文が展開されてしまうと属性攻撃という事で反射が不可能という事になる。という事は元々杖を振ると光の弾が魔物に飛び、魔物に当たると呪文の効果 が示される不思議のダンジョンですが、この光の弾は魔法が発動する直前の魔法の状態を表しているのではないかと推測出来るのです。
  つまりマホカン タや呪文を稀に反射する防具は、呪文は発動直前の魔力を反射している。魔力は光として高速で対象に向かい、使用者が想定した対象に到達した瞬間呪文として効力を発揮する。しかし、到達する前に光がマホカンタや反射する防具で跳ね返されてしまう。反射した光は使用者の手から離れた力の為、使用者の意図に関わらず呪文となり発動し使用者にダメージを与えてしまう。という事が考えられます。