空の棺

 横殴りの潮風は、海の中に潜ったような濃さで吹き荒ぶ。潮の侵食によって螺旋階段のようになった狭い道を、潮風は竜巻のように過ぎ去っていくのだ。断崖絶壁の道を進む私達は、潮風の暴力の前に立ち止まっては進むを繰り返す。風に蹌踉めき道を踏み外せば、墓参りどころか己の葬儀を行わなければならなくなる。
 先頭を進むノガート兵士長が、強い風が吹く度に安否を確認する為に振り返ってくれる。殿を務めるラチックが、時々私の肩を支えてくれるので落ちる心配なんか全くない。王家の墓へ行くのはいつも怖かったけれど、今回は全然平気だ。
 やがて道は洞窟に入り込む。荒波が細かい飛沫になって岩盤を濡らし、海が削った洞窟は神殿のような神秘的な雰囲気を醸している。先頭が足を止めた場所こそ、グランゼドーラの紋章が刻まれし大扉の前。歴代のグランゼドーラの王族が眠る神聖な場所であるはずだった。
「なに…これ?」
 岩すらも侵食する潮風に朽ちる事を知らない大扉。鍵穴のない扉は、簡単には開けられぬ仕組みが施されている筈だった。しかし見慣れた大扉に、見慣れぬ魔法陣が描かれている。何らかの封印の魔法陣の前に、私の前を歩いていた小柄な人影が歩み寄った。
『おやおや! これは正しく、ドルワーム王国が用いる施錠の魔法陣であーる!』
 小柄な影が持つ両手杖の先端がぱかりと開いて、ぱかぱかと喋り出した。ひょこひょこと先端の羽を弾ませて、杖は持ち主に語りかけた。
『ブロッゲン様、目覚めて欲しいのであーる! これ程までに見事な施錠の術式は、彼の作品に間違いないのであーる。ドルワーム王国に問い合わせたとしても、貴方様以外の適任はおられないのであーる!』
 ぐぅ。
 持ち主が船を漕いだ。この世界に名を馳せし賢者ブロッゲン様。眠りの賢者と呼ばれる通り、御高齢も手伝ってか常に寝ていらっしゃるの。私も起きてお話しされたことなんか、片手で数える程度しかないわ。とっても器用なお方で、ここまで寝ながら歩いて来ているの。私にはとても真似できないわ。
 ぐぅぐぅと鼾をかくブロッゲン様の顔を覗き込んだピペは、にこにこしながらスケッチを始めた。ドワーフ最高位の賢者様は、顔の大半の覆う髭を三つ編みにされたり、頭部の髪は竜巻のようにうねっているんだもの。服装も賢者らしい幾何学模様と重厚なローブ。描きたくって仕方がないわよね。早速、大きな鼻提灯が描かれているわ。
「アン。兄貴の 墓参り できるのか?」
「ブロッゲン様 次第だそうよ」
 肩を叩いてきたラチックに答える。
 事が発覚したのは私が帰還して直ぐの事だった。私がトーマ兄様の墓参りに行きたいと願った時、王家の墓を巡回して来た兵士から『墓に怪しい封印が施されている』と報告が上がったのだ。直ぐ様ルシェンダ様が見にいくと、どうやらドルワーム王国で管理している遺跡施錠に用いる魔法陣と判明した。しかし、遺跡施錠の魔法陣はいくつものパターンが組み合わさる複雑なもので、流石のルシェンダ様も時間がかかる。
 その時、丁度、ホーロー様の羅針盤と、ルシェンダ様が灯した聖なる種火の力でやって来たグランドタイタス号に賢者ブロッゲン様が乗っていたのだ。ブロッゲン様なら解錠できる筈。そうルシェンダ様に言われて私達はやって来たのだ。
 あーる。あーる。一生懸命、杖が起こそうと頑張っているのだけれど、ブロッゲン様は起きそうにないわ。ノガートも肩を揺すったりするんだけれど、まるで揺り籠で揺すられているかのように気持ち良さそうな鼾が続いている。
 スケッチをしているピペが、唇を尖らせた。どうやら鼻提灯でよく見えない場所を見たいらしく、芯を長く切り出した鉛筆で鼻提灯を突きだす。突こうとしては引っ込み、突きそびれて手が引っ込めば鼻提灯が膨らむ。あぁ、こんな時でなければ、和やかな光景なのに。
 ぱぁん! 想像以上に大きな音を立てて、鼻提灯が割れた。
『おぉ! ブロッゲン様、ようやくお目覚めであーる! ルシェンダ様が目の前に施された封印を解いてほしいと、ご依頼が来ているのであーる!』
 ぱかぱかと脳天から突き出るような声で杖が言う。ようやく、扉が開くんだわ。そう、期待が胸に湧いた。
 …ぐぅ。
「寝るな…!」
 異口同音のツッコミが、四方八方から飛び出した。驚いたのか、今度はピペが突かなくとも鼻提灯が割れた!
「む。ガノの施錠か…」
 ようやく眉毛が上がり、ゆっくりと手が掲げられる。魔法陣が淡く輝き、歯車を噛み合わせるように動いていく。ブロッゲン様が起きた事に、一同はホッと安堵の溜息を零した。ざぶんざばんと波が岩を打つ音が押し寄せる中、解除は難航しているらしく私達の想像以上の時間が経過している。ピペだけがブロッゲン様の隣に座って、魔法陣を食い入るように眺めている。
「アン。兄貴 墓参り して 大丈夫か? 辛い 思い しないか?」
 私の横に立っているラチックが、気遣わしげに訊いて来た。本当に優しい人。私は扉を見つめた視線を外さぬまま、彼の逞しい腕にそっと触れた。
「本当は怖いし辛いわ。兄様の死を目の前で見届けたけれど、棺の中に眠っている姿を見たら『あぁ、やっぱり兄様はあの時死んでしまわれた。私を庇って、勇者の影武者としての責務を全うしたんだ』って実感すると思うの。そうしたら、きっとミシュアになるまでの全ての感情が、吹き出すと思う。本当は避けたいし逃げたいわ」
 でもね。口元が上がる。
「夢の中で兄様に出会って、夢の中でも言葉を聞いて、抱きしめてもらった。こうして、ピペとラチックに一緒に来てもらって、寄り添ってもらえる。その事が、とても嬉しくて、とても頼もしいの。どんな困難も苦しみも乗り越えられる気がするの」
 私が兄様の墓参りにピペとラチックを一緒に連れていきたいと、わがままを言った。胸に忍び寄る不安の冷ややかさが、二人が居てくれるだけで安堵で暖かくなるからだ。
 まだ、勇者の影武者を兄様に任せたという事実がしこりになって、両親や賢者様、信頼できる筈の家臣達にさえ、この感情以上のものが湧く事がなかった。二人の存在が幸せな事だと思う反面、罪悪感が募る。それを実感すると、勇者姫を思い出す。勇者になろうと努力を重ね、実らなかった同じ顔の彼女。
 私は勇者として覚醒したけれど、大きな問題が目の前にあった。
 盟友だ。
 勇者は必ず盟友を得る。魂が結びつく程の絆を持った友は、盟友の力に目覚め共に戦う運命を定められる。その役目を負うのは、トーマ兄様の筈だった。兄様が存命で私が覚醒していれば、間違いなく兄様が盟友になっただろう。お父様も賢者様もトーマ兄様が盟友になると、確信すらしていた。誰よりも兄様がそれを望んでいた。
 けれど、兄様の死を確認したら、その望みは断たれる。
 そうしたら…。胸が不安に締め付けられる。誰が私の盟友になってくれるのだろう? 兄様と同じかそれ以上に、親愛を寄せる人がこの世界に存在するのだろうか? 小さな背中が視界に入る。もし、存在したとして『魔王と戦おう』と、頼めるのだろうか? 誰もが恐れ慄く強大な存在に立ち向かい、己の命を共に賭けてくれと、私は言えるのだろうか?
 あぁ、でも、隣にいて欲しい。私は、私は勇者だけれど…
「アン 不安か?」
 肩に大きな手が乗った。優しく、労わるように、肩を大きな手が温める。
「アン 勇者。でも 俺と ピペにとっては ミシュア。大事な 仲間。いつでも 頼る して欲しい」
 視界が大きく歪む。一気に魔法陣の仄かの光が膨れ上がって、視界を大きく染めた。頬を熱いものが止め処もなく流れていく。光の中から小さな影が飛び出して来て、私達の足元に駆け寄った。
「いたっ! ピペ 叩くな! 俺 泣かせてない!」
 スケッチブックで叩いているのかしら。ばんばんと景気の良い音が、波音を押し寄せて響く。そんなに痛くもないだろうに悲痛な声を上げるラチックと、私が泣いているのを見たピペの怒りの声の代わり攻撃が愛おしい。私は思わず大声で笑ってしまった。小さな私の勇者様を抱き上げる。
「大丈夫よ、ピペ。嬉しくて涙が出てしまったの」
 小さな手がハンカチを持って私の頬を拭う。愛らしい、可愛い、ピペ。優しくて、思い遣りに溢れたラチック。この二人の為にも、私は頑張らなくちゃいけない。ミシュアとして返せなかった恩を、アンルシアとして返していきたいと思った。
 がごん。鈍く大きな音が響いて顔を上げると、魔法陣は消え去り小さい隙間から濃厚な闇が顔を覗かせた。直ぐ様ノガートが剣を抜き放ちブロッゲン様の前に躍り出る。慎重に扉の中を伺うノガートの後ろから、ブロッゲン様はレミーラの光を掲げ内部を照らす。
 ノガートが入って暫くして、扉に再び顔を出した。隻眼の元傭兵は厳しい顔をしているが、声色は柔らかい。
「誰も居ないようです。入りましょう」
 ブロッゲン様が入り、ピペ、私、ラチックの順で大扉を潜る。扉の隙間から流れる強烈な香木が焚かれた匂いに包まれ、暗闇に入り込む。
 グランゼドーラ建国とほぼ同時期に作られただろう墓所は、長き年月に柱も床も大分傷んでいた。レビュール地方の木々の根が侵食し、雨風が侵入しているのか、陽の光が差し込んで神秘的な雰囲気を漂わせた。黄金で作られた巨大な扉が光に輝いている。その扉を囲むように、多くの棺が置かれていた。朽ちて苔むした岩のような棺、まるで鎧のような細工を施した金属の棺、植物が芽吹き小さな花畑になっている木の棺があっただろう場所、それらが何層にも重なり合っている。
 亡くなったばかりの王族の棺は、霊魂が迷わず昇天の梯を昇れる祈りを込め墓の中央にある扉の前に置かれる。黄金の扉は古の王族の秘術で現世と常世を繋いでいるらしい。黄金の扉は骨格と細工部分しかなく、隙間のこちらと向こうとで生者と死者が見える伝説もある。
 トーマ兄様の棺も、仕来り通りの場所に安置されていた。
 しかし、異変は入って直ぐに分かった。棺の上に掛けられたグランゼドーラの旗は剥ぎ取られて床に落ち、棺の蓋が大きく開け放たれていた。棺に入っていた副葬品や花々が散らばり、枯れた花は歩み寄った私達に踏まれてかさりと音を立てた。
 心臓ががなりたてる。
 どうして、こんな事が。いや、何かの間違い。棺の縁に手を掛け覗き込んだ。
 覚悟していたトーマ兄様の遺体は、そこにはない。なにも、ない。兄様の墓が暴かれた。兄様の遺体を誰かが持ち去った。頭の中を素手で掻き回されるような衝撃に、私の為に果てた兄様へのあまりの仕打ちの酷さに、目の前が真っ暗になってしまいそうだ。
 いや、棺の底に一枚の紙がが落ちている。一緒に埋葬されていたならば多少なりとも汚れているだろうに、その折り畳まれた紙は真っ白だった。適当に折っているのか、端は合っていないし、折り方が甘くて少し開いている。それを拾い上げて広げてみる。
『これはドワーフの言語であーる。私が読み上げるのであーる』
 ブロッゲン様の杖が後ろから話しかける。
『我輩が来た時には、すでにこの有様じゃった。心当たりを調べて報告する…と書かれているのであーる』
「本当にそう書かれているのか?」
『ノガート兵士長、疑うのであーる? 城に戻ってレンダーシア言語に翻訳してみるのであーる。同じ結果になるのであーる』
 こほんと杖が咳払いをする。
『つまり、我々が来る前に最低でも二組ほど誰かが来たようであーる。王子の棺が暴かれた後に、ガノ殿が来てこの手紙を残して、これ以上墓荒らしが立ち入らぬよう施錠の魔法陣を施したと考えられるのであーる』
「ガノ…確か五大陸の精鋭で結成された調査団員の一人だな。アラハギーロでダーマの大神官候補と激しい口論になり、激昂してテーブルを叩き割ったと聞く。第一、ここは王族以外立ち入り禁止の場所なのに、何故入ってきたんだ? 信頼できるのか?」
『私は信頼できるお方と断言するのであーる。賊が副葬品狙いの墓荒らしであったなら、追跡に彼以上の逸材はいないのであーる。王国に報告を上げず手紙に留めたのも、追跡する時間を無駄にしたくなかったからと思われるのであーる。それに、ガノ殿は遺跡に興味があるだけで、死者を弄ぶ人では断じてないのであーる!』
 きっぱりと言い切った杖の言葉に、ノガートは言葉を詰まらせた。
「それでも、我が国の王子の棺が暴かれた事に違いはない。我々も王子の御遺体を奪還する為に動くが、この事は公にすれば混乱を招く。ピペ、ラチック、君達もこの事は誰にも喋ってはならない。いいな」
 そっと肩を触れられる。
「姫。宜しいですね?」
 私は小さく頷いた。何を話しているのか、良く分からなかった。それでも、王国に忠誠を誓っていて裏切るなんて有り得ないノガートの言葉だ。きっと、良い方向に向かう為の選択をしてくれたんだって思えば、頷いておけば良いと、そう、思った。

 それから、ブロッゲン様とノガートは墓の中に何か手がかりが残されていないか念入りに調べていた。
 私はピペとラチックに寄り添われて、勇者アルヴァン様の妹君、私のご先祖に当たるフェリナ様の棺の傍に座っていた。フェリナ様の棺はそれはもう見事な螺鈿細工で、花と星が描かれた美しい棺だった。そんな事を思っているうちに、二人が何の手がかりも見つからず戻ってきて私達は帰路へつく。海風の強い道が終わり、緑の匂いに包まれていても、心のどこかは上の空だ。
 ぼんやりしていた私の手に、ピペの小さな手が何かを押し込んだ。
 掌を広げると、そこには美しいロケットペンダントが収まっていた。希望の花の美しい青はサファイアのモザイクと、繊細な螺鈿細工、銀で出来たペンダントの裏には藤の花の紋章が刻まれている。びっくりした拍子にペンダントが開くと、そこには私とトーマ兄様の肖像画が嵌められていた。蓋の裏には『親愛なるアンへ』と刻まれている。
「ピペ…これ…」
 驚く私の顔を見て、ピペが嬉しそうに笑った。そして、蝋で封をした手紙を差し出す。
「それ 俺達と 別れて 城 戻ったら 読め」
 突然の言葉に驚いて、私は周囲を改めて見回した。レビュール街道の分岐点。グランゼドーラへ向かう東の道と、三門の関所へ向かう南の道へ分かれる場所だ。どうして、気がつかなかったんだろう。これが、私達の最後の旅だった筈なのに…!
 私は堪らなくなって、その場で短剣を引き抜き、封を切った。一国の王女なのに、なんてはしたない事をするんだって思うけれど我慢できない。ピペの言葉を、今、確かめたくて仕方がなかった。

『親愛なるアンへ
 貴女を助けたお礼に、アリオス陛下に無茶なお願いを聞いていただきました。
 グランゼドーラにある勇者アルヴァンの石像には、かつて対になるように盟友の石像が立っていました。
 今回、私はその石像の復建を希望したのです。
 私達が高貴なる御方から託された使命を、果たす時がきた。故郷の皆も喜んでくれるでしょう。
 ミシュア。貴女は勇者アンルシアで、貴女にしか出来ない使命がある。
 でも私とラチックさんは、いつまでも、どんな事があっても、貴女の仲間で友人です。
 故郷で石像の復建の準備が終わったら、グランゼドーラに…』

 涙でピペの綺麗な字が読めなくなってくる。
 手紙の通り短い別れなのだ。ピペとラチックが、城に石像を作りに戻って来てくれるから。
 でも、これが最後の旅なのだ。アンルシアという一人の女の子が旅をする、最後の時間だった。これから先、私は勇者として勇者の力を鍛え、盟友を得て、大魔王と戦って勝利しなくちゃいけない。このアストルティアの全ての民の運命を背負わなくてはならない。
 もう、二人は隣にいない。
 それに、私は二人に隣にいて欲しいと強いれない。二人は一般人だ。ピペは芸術家で、ラチックは少しだけ力が強いだけで武術も自己流。勇者の供をするほど強くないと、ノガートに断言された。足手まといを連れて、勇者が斃れては意味がないとまで言われてしまった。
 それに、ピペは…
「アンルシア」
 野太い男性の声に横を見れば、私の顔面に何かが迫った。ぱっと光が散ると、世界が鮮明に感じられる。視界は涙で歪んでいるというのに、そこに左手を向けているブロッケン様の姿がはっきりと見える。
「それは先代勇者より預かりし目。それで小さき者の魂を見よ」
 促されるようにピペとラチックに向き直る。ラチックは変わらない。見た通り、外見通りの姿だ。
 ピペはベビーサタン姿に、幼い人間の女の子の姿が重なっていた。夢の中で見たピペだ。ルシェンダ様に、お母様に、したり顔で諭された。ピペとラチックはアラハギーロの戦争に巻き込まれ、人間と魔物の姿が逆転してしまった。ピペは人間に戻るつもりはないという。何時、魂が肉体の形に変質し、理性を失い魔物となるやもしれぬから、金輪際付き合わぬ方がいい…と。
 涙が溢れる。
 戦うことも路銀を稼ぐことも出来ない、ただの村娘と旅をしてくれた友。勇者姫に囚われた私を救いに、危険な場所に死を顧みずに来てくれた友。兄様の死に向き合う時、傍にいてくれた友。私を勇者ではなく一人の女の子として向かい入れてくれる友。なんて得難い存在なんだろう…! そんな友人を、ただ魔物の姿だからと捨てよ、と示唆された事が悲しかった。
 ピペは魔物なんかじゃない。魔物の姿だけれど、友達なの…! 姫だから勇者だからと、喉の奥に詰まって出ることのなかった言葉に窒息しそうだった。
 だからこそ、このままピペと友達でいて良いと、神様が認めてくれた気がして嬉しかった。嬉しくて、嬉しくて、世界が輝いて見える。
 私は小さい女の子を抱きしめて大声で泣いた。