悪魔が別れを告げた日に - 前編 -

 それは久方ぶりに見た日向のような光だった。
 ミシュアが幽閉されている部屋から、黄金の光が湧き上がったのだ。光は暗く垂れ込めた雲に燻んでいたグランゼドーラの城を純白に染め上げ、まるでピペが刷毛で色を塗るかのように黄金色の光が広がって行く。城をくるりと取り巻き、勇者の橋の上から溢れて落ち、海を夕焼けの朱に染め上げる。黄金色の光は風のように雲を突き抜け、ついに俺達をも飲み込んだ。
 身構えはしたが、光は確かに日向のように暖かい光だった。
「勇者覚醒の光…」
 背後でテグラムと再会を喜んでいたダイムが呟いた。
 そうだ。ピペの描いた勇者の物語。グランゼドーラの王家の血筋の者が勇者として目覚めると、黄金色の光がアストルティアを覆い尽くすという。グランゼドーラの民が一心に願った、勇者の覚醒がついに訪れたのだ。
 黄金の光が切り拓いた青空が、グランゼドーラを鮮やかに彩った。呆然と黄金の光を見上げ立ち尽くす人々だったが、光は人々の間をすり抜け薄れて行く。光は本物の日向のように優しく暖かかった。そして温もりが過ぎ去った沈黙の後に湧いたのは、勇者姫の覚醒を喜ぶ人々の歓声ではない。
「勇者様が覚醒された。しかし、勇者は…」
 そう、光に包まれて分かる。この光を放っている勇者は、グランゼドーラで勇者姫として崇められたアンルシア姫ではない。ミシュアだ。ミシュアがこの光を放っているのだ。俺が理解したのと同じ事を、テグラムもダイムも感じたらしい。
 ミシュアはアンルシア姫の一部だった。アンルシア姫とミシュアが一つになれば、勇者姫は勇者として覚醒することができる。そう言われ、そう信じた。メルサンディから共に旅をしたミシュアが消えてしまう。そうなる前に、せめて別れの一言を交わしたい。特にミシュアが初めての人間の友達だったピペには、きちんと納得できる別れをさせてあげたかった。
 だが、ミシュアは消えていない。
 それどころか、ミシュアが勇者らしい。
 なら
「アンルシア姫 は なんだ?」
 確かに地下牢で見たアンルシア姫は、とても勇者と言える存在ではなかった。グランゼドーラの民の命を奪って、自分のものにしたアンルシア姫の声はとても冷え切った恐ろしいものだった。人々の命を守るべき勇者が、まるで魔王の行いをしているのだ。
 それでも、アンルシア姫の中では義があったのかもしれない。勇者として一刻も早く覚醒する為に、人の道を外れても良い、全ての民を守りたいという思いがあったのではと心の中で思っていた。それを踏み留まらせる友人が彼女の傍にはいなかった。むしろ、ヒョッヒョ煩い外道がいた。寝ることも休むこともしない、愚かなほど真っ直ぐ過ぎた勇者姫の姿が朧げにあった。
 そして浮かぶのだ。アンルシア姫とは、何者なんだ?
「偽物だ…」
 まるで熱に浮かされた病人が口から搾り出したような呟き。俺の視線の先で、テグラムが城を見つめていた。血走った目は飛び出そうな程に見開き、握り拳から滴る赤を気にも留めず、拳から伝わる震えは全身に広がった。体全体から声を迸らせて、テグラムは叫んだ。
「奴は偽りの勇者だったのだ!」
 偽り。いつわり。イツワリ。人々の囁く声が次第に地鳴りのように響き、黄金の光に驚いた人々の瞳に暗い光が灯る。人々は怒りの表情を露わにすると、驚く間も無く駆け出した。家の前で呆然としてた女は家に駆け込み包丁やフライパンを手にし、何人もの男達が武器屋から武器を手に出てくる。子供達でさえ石やブーメランを手に、恐怖で足が震えても前に進んで行く。
 グランゼドーラの広場を埋め尽くす群衆が集まるのに、時間は要らなかった。
「待て」
 人々の前に進み出ようとするテグラムの腕を、俺は掴んだ。
 もう、グランゼドーラの民はアンルシア姫を偽物だと分かってしまった。そして、怒りを抱いているのは、アンルシア姫が彼らの身内を奪い、その存在を忘れるよう強いた事も気がついたのだろう。ダイムがミシュアと話していると頭の霞が晴れるようだと語った力が、この日向のような黄金色の光にあるのかもしれない。
 怒りは集まり天を焦がすほどの熱気を帯びていたが、まだ、それは燻っているだけ。
 彼らは知っているのだ。偽物であってもアンルシア姫は強いということを。
 それでも怒りの矛先を向ける先として、勇者姫は選ばれた。誰もが信じていた。だから裏切りを強く感じてしまう。振り払おうとする腕を、俺は強く握りしめた。
 テグラムならば俺の腕を強引に振りほどく事は難しくなかっただろう。だが、俺達がテグラムの命の恩人であるから、俺の隣に立つダイムも懇願するような眼差しをテグラムに向けていたから留まった。俺は真っ直ぐ吊り上がった目元を見て言った。
「勇者姫 偽物でも 勇者 なろうと した」
 そうでなければ、なぜ、彼女はあんなにまで自分を追い詰めていたんだろう。ピペやミシュアと話している時、ホッとした表情だった勇者姫を俺は責める事はできなかった。
 俺は所詮部外者だ。テグラムのように命を奪わられる寸前だった事も、グランゼドーラの民のように身内が勇者姫の手に掛かってもいない。だからこそ、思えるんだ。今、彼らを突き動かしているのは、勇者姫が勇者ではなかったという真実だけ。それにテグラムが叫んだ『偽物』という言葉が背を押そうとしているのだ。
 テグラムの口元が歪んだ。それが、笑みである事は分かったが、なぜ笑ったのかはわからなかった。
「行動が全てを物語っている。今更、どんな真実が明るみに出ようと、俺の…俺達の心が変わる事はない」
 テグラムは集まった者達を引き連れて、勇者姫の元に攻め込もうとしている。非力であろうと数で、一般の兵士を押しのけ突き進む事はできるだろう。だが、相手は勇者姫だ。凶暴なアルゴングレートを笑いながら一方的に虐殺して見せた強さが彼らに向けば、数で攻めたとしても結果は明らかだ。
「勇者姫 民を殺す かも。テグラム 皆を 地獄に 連れて行くのか?」
 テグラムの瞳の中にある憎悪に、冷静さを欠いたギラギラとした光を見た。
「力無い者 逃すべき」
 俺の言葉に瞳の中の光が爆ぜた。テグラムは手を払い、俺の胸ぐらを掴んだ。あまりの早さに俺は目を白黒させる。
「貴様は何者なのだ! 偽物の仲間なのか?」
「違う 俺は ただ…」
 耳に叩きつけられた言葉は、暴力的な音量で俺の頭の中を揺さぶった。地面と空が回る感じがして、胸を突き飛ばされると固い石畳の衝撃が尻から背骨へ突き上げた。衝撃に思わず呻く声を、テグラムの声が押し潰した。
「臆病者の言葉に、これ以上耳を傾けるのは無意味だ! 去るがいい!」
 テグラムの背が人波に飲まれていく。重く垂れ込めた雲よりも更に黒い波は、めまいも手伝って終わりない荒波のようだった。踏みしめる足音は嵐の暴風雨のように響き、憎しみと怒りの声が激しい稲妻のように空気を裂いた。
 俺は目眩の中で、ピペとミシュアのことを考えていた。
 テグラムと勇者姫が戦い始めれば、王城は戦場になってしまう。力のない人々は城に火を放つかもしれない。上手く逃げられるだろうか? ピペと一緒にミシュアの元に向かってくれたクロウズが、気を利かせて来た道を戻ってくれるだろうか?
 助けに行きたい。だが、城に続く勇者の橋を渡る余裕があるだろうか? 確か橋の下にある港は城下町と城に、それぞれ道が繋がっているはず。だが、城に侵入できたとしてピペとミシュアに会えるだろうか?
 どうしたらいい? 俺には分からない。重く傾いだ頭を片手で支え目を閉じると、肩を誰がか支えてくれた。
「命の恩人になんという暴言を…! ラチック様。愚息の無礼な発言、謝罪の言葉をいくら並べたとしても足りませぬ!」
 ダイムの声だ。気配が前に回り込んでくるのを感じて目を開くと、俺を心配そうに見つめるダイムの姿があった。
「貴方は本当に心根の優しいお方です。グランゼドーラの民の誰よりも、この国の民の命を守ろうとしてくださる。その為にテグラムに対して声を上げてくださった。このダイム、グランゼドーラの民を代表してお礼申し上げる」
 両膝をつき深々と頭を下げるダイムの肩を摩り、俺は少し無理して微笑んでみせた。
「俺 正しくなかった 礼 要らない」
 そんな事はありません! テグラムに負けず劣らず声を響かせ、ダイムは悲痛な表情を俺に見せた。
「貴方の言う通り、アンルシア姫がその気になれば、テグラム達を葬る事はいとも容易い事。無力な民は避難させましょう。三門の関所を超え、他国に逃げる事も視野に入れねばなりませぬ」
 長年、勇者姫に仕えてきたダイムだからこそ、その言葉を言う事は血反吐を吐く思いだったろう。帰ってきた息子が、仕えていた主人を殺しに行って、返討ちにあう。十二分にありうる未来だった。
 もう、テグラムに付いて行った人々の姿はなかった。ぽつぽつと残った人影が、物陰からこちらを見ている。テグラムとは反対の方向へ彼らを導く役目は、ダイムしかいないだろう。俺は骨と皮のような手を握った。労わる言葉を投げかけてくれる彼ほど、この場の誰よりも労られるべき人だった。
「ダイム。三門の関所 行こう」
 老人の顔いっぱいに驚きが広がった。
「ラチック様…。しかし、貴方はピペ様やミシュア様を助けに行きたいのでは…」
 そう。俺は確かにピペやミシュアの元に駆けつけたい。だけれど、さっきの光の感覚が正しければ、ミシュアは本物のアンルシア姫だ。なら、そう簡単にはやられないはず。クロウズだっているんだ。
 ダイム達だけに危険な街道を行かせたら、ピペは怒るだろう。顔をインクで真っ黒に塗りたくられるに違いない。
「俺 強くない けど ダイム達 守る 頑張る」
 三門までいけば、ルアム達の仲間、羅針盤のメダルを持った調査団達がいる。彼らを頼る事ができれば、グランゼドーラの民はきっと安全だ。テグラム達が勇者姫を倒して平和になったら、戻ってくればいいだけの話だ。
「ありがとうございます。ラチック様」
 深々を頭を下げたダイムは、物陰に隠れていた人々を呼び寄せた。集まった人々はダイムの指示を聞き、固い表情に少しだけ驚きを滲ませたが、小さく頷いて街並みへ散っていった。

 グランゼドーラの白い城壁が赤く染まる。轟音や地響きが足の裏からじわじわと這い上がってきて、不安を掻き立て口から悲鳴と一緒に出てきそうだった。勇者の橋の上でテグラム達が勇者姫や彼女を守る兵士と衝突している。その間だけが、きっと許された逃げる隙に違いない。そう思うと、焦りが募る。
 だが、それは人々も同じだった。城下町とグランゼドーラ領へ続く門が開かれ、馬車が集まるのに時間は掛からなかった。ダイムの指示で散っていった人々が、逃げることを決めた人々を集めてくるのも直ぐだった。誰もが手に荷物も持たず、着の身着のままで門の前に集まった。
 この大都市に暮らす人数を思えば少ないほどだろう。だが、城下町から出て無事に三門の関所に辿り着けるかも分からない。ここで、じっとしていれば嵐は過ぎ去ると思う人間だっているはずだ。ダイムは小さく頷き、集まった人々を見回した。
「行きましょう」
「どこへ行くと言うのだ?」
 ここで聞こえてはいけない声。俺とダイムは勢い良く振り返った。
 集まった人々の海が割れる。火の粉が空を焦がしつつある城の影から、黒々とした小柄な影が手を掛けるように伸びてきた。影ではなかった。濃い紫のサーコートとズボンが、影に溶けている。照らされた赤い雲に解けるように、風に流れる金髪。口元が持ち上がり、口元に一つ刻まれた黒子が白い肌に見えた。
 勇者姫。
 偽物の。
 俺は喉が干上がる思いだった。なぜ、ここにいる。テグラム達を、もう打ち倒してここにいるのか? そんな疑問が脳裏を駆けていて、勇者姫の乾いた拍手になかなか気がつけなかった。
「しかし、驚いた! 『お前達』は此処から『出る』という選択肢すら持っていないはずなのに、此処から『逃げ出す』などという芸当が出来ようとは! 真の勇者の力が成せる業か、それとも『お前達』の進化なのかは定かではないが、私の予想を超えたのは確かであろう。賞賛に値する」
 何を言っているんだ? 勇者姫の輪郭は炎の光に融けそうだというのに、中心に近ければ近い程に黒くなって沈んでいく。
「そもそも『お前達』は私の為に作られたのだ。勇者になるべき私を支える為に、『お前達』はいるのだよ。私を捨てて、どこへ行くというのだね?」
 今まで他者のため、自分を殺していた勇者姫らしくない言葉だった。
「アン…ルシア」
 うわ言のように出た言葉を待つように、勇者姫はそこに立っている。
「勇者に なる 頑張って… 違う… のか?」
「あぁ。その通りだ、ラチック。私は勇者になる為、あらゆる事をしてきた。無償の善行。血の滲むような努力。理想の勇者を演じ、理想の勇者になろうと努めてきた」
 凛々しく堂々とした声色は、初めて出会った時と何も変わらない。彼女が行なっていることが何もかも正しいと思わされる、揺るがない自信。だから、彼女がいつの間にか剣を抜き放ち、あまりにも自然に隣に立っていた子供を突き殺した事を理解する事が出来なかった。
「この国の民はな、私の力になるべく生み出されているんだ。私が勇者になるべく支え、必要とあらばその生命存在を私に捧げる為に存在するんだ。この世界を生み出した主が、私が勇者になれるように作ってくださった王国なのだ」
 子供は即死だったんだろう。小さい笛の音のような音を口から漏らしただけで、力なく崩れ落ちた。ずるりと子供から抜けた刀身からは、一滴の血も滴り落ちない。子供から止め留めなく流れ血溜まりになるはずの石畳は、いつまで経っても綺麗なままだ。
 子供の体が黒い煙になっていく。まるで凶悪な魔物が死んだ後のように、子供の体はぱっと濃い瘴気の塊になり、城に向かって吹き上げる風に吹き払われる筈だった。しかし、瘴気は勇者姫に吸い寄せられて、勇者姫の濃い影の中に融けていく。
 なんで、そんな事が起きているのだろう? 語られた言葉一つ理解できないのは、俺がバカだからなのか?
「テグラム達は見事使命を達成した。私への憎しみに想像を超えた力を発揮し、その状態の力を私に捧げた。忠臣とは彼らのような存在であろう」
 さぁ。勇者姫が剣をゆっくりと掲げる。まるで神聖な儀式のような場違いなまでの美しさだ。ピペならスケッチブックの上を転げ回るような勢いで、彼女の一挙一動を書き写しただろう。だが、誰一人動けない。
 血の気が引く。この剣が一閃された瞬間、この場に集まった全員が死ぬだろうと悟った。
 せめて、一人でも助かるように。せめて一瞬でも、最悪が後になるように。俺はとっさに駆け出し、剣を握った勇者姫の手を押し留めようと伸ばした。
「お前達も私の力になるんだ」
 勇者姫の剣が振り下ろされる。至近距離で雷が落ちたような感覚。轟音が響いた感覚は音ではなく、体を貫くような衝撃で理解できる。もはや、それは音ではなく頭を触接叩くようなもの。視界を埋め尽くした一色は目を灼いた。目を開いているというのに、視界に何も映らず平衡感覚が失せる。熱波が皮膚を焦がす感覚の裏で、脳裏は冷水に浸されたようだ。
 死ぬという言葉が浮かんだ。
 動かなくなった魔物が消えていくのが、獣が食われて姿が見えなくなるのが、思い浮かんだ。死ぬというのは消える事だ。ピペの傍に居てやれない事が、悲しくて申し訳なかった。いつまでも小さいままのピペ。いつも泣いて、一人で絵を描いていた。
 だけれど、今はミシュアが隣にいる。マデサゴーラの支援だって受けられる。
 俺が居なくても、平気。
 寂しかった。自分がピペの隣にいるのが当たり前だったから、出来ない事が自分というものの意味がなくなってしまいそうで辛かった。それでも、俺はこの圧倒的な力をどうにかする事が出来ない。
 黒を切り裂くように白が笑みの形を作った。音が押し寄せてくる。
「ラチック。お前は殺さない。お前は、あの御方の客人だからな」
 聞き慣れたミシュアの声は、意味の分からない言葉を告げた。
 頭を冷やす死の予感が、背中を伝って腹に溜まる。死ぬというのはどういうものなのだろう。すごく痛くて、苦しいものなのだろうに。なぜ俺には訪れない。あの暴力が俺を避けた?
 なら
 うしろ に いた みんな は
 なんで振り返ってしまったんだろう。そうなっているんだろうと、心のどこかで分かっていたのに、俺は振り返ってしまった。瓦礫の山を舐める赤い炎。破壊された馬車、倒れた馬。石畳の上に無数に転がる、黒くなった見慣れた形をした一部。
 腹に溜まっていた恐怖が、迫り上がって口から溢れた。
 どうして。なぜ。そんな言葉が頭の中いっぱいになる。あの攻撃を受けたらならそうなるだろう、そんな冷えた感情が嫌悪になって刃物を飲み込むように痛んだ。意味の分からない理由であれ、俺は殺されることのない身で、勇者姫の前に立ちふさがったのに、誰も守れなかった。涙が溢れて、苦しくて、こみ上げて、吐き気が止まらない。
 俺の真後ろにいたダイムだけが、どうにか人としての形を留めていた。それでも、人としての形を留めていただけで、切り裂かれた体からは黒い煙が弱々しく漏れ出ている。這うように近寄った俺に向けたダイムの顔は、驚いていた。
「どうして…こんな…」
 抱き上げたダイムは軽かった。風が吹けば飛んでいってしまうほどに、人としての姿をしているとは思えぬ程に軽かった。何に手を伸ばそうとしているのか。皺だらけの土気色の手が、虚空へ向けられていく。
「この世界…は…どこか…お、おかしかった…」
 掴もうと思った手は、黒い煙になってしまった。
 黒い煙はまるで吸い寄せられるように勇者姫の上に集まり、彼女はそれはさも美味そうに飲み込んだ。炎の海の中で、勇者姫と崇められた少女が一人狂ったように笑っている。
 この世界は狂っている。
 言葉が、実態化した。